セブジーの雑な映画感想

セブジーの映画への思考、料理を吐露する無法地帯

怪物 <ネタバレあり・「子供の見る永遠」>

 

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ネタバレしかない!注意!

 

 

 

 

 

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是枝監督の怪物。

 

「怪物」ってタイトルにそんなに意味あるのかなーと思った人間です。誰が怪物なのかなんて簡単には言えないと思いました。そもそも怪物の言葉の持つ意味が広すぎる。そこからまずは登場人物を離してやることが先決かと。

ラストについては、現実ではなく夢だと思いますが、視聴者と2人だけが共有している<誰も届かない秘密の国>なのだととらえました。やがて成長して、その国が忘れ去られようと永遠なのです。生まれ変わるなら、いや生まれ変わらないのは2人の夢とその関係と時間です。続きます。これが2人を強く肯定すると同時に、視聴者のことも肯定します。確かに、<社会的な承認>や<家庭や学校の不和>の解決はされていませんから、私たちは間違っていないと孤独の中言い聞かせるような物悲しいラストに見えるかもしれません。実際、そう言った寂しさを私も感じました。しかし、それを上回る説得力を持っています。そしてそれらを内包しつつ永遠を語り映画は終わるのです。もっと内面や哲学のことを語っていたのです。親や担任や校長は嵐の中子供たちを探しますが、それすらも<見守っている>意味を浮かび上がらせるのは、この映画の手腕が光るところです。